俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
洸の腕が長いおかげで、心臓が飛び出しそうなほど近い距離じゃなかったはずなのに、
ひじを曲げたことによって距離は半分になって...そして洸はわたしの首もとに顔を埋めてきた。
「こ、洸...!?」
わたしの心臓が一気に加速する。
たんに首もとに頭を沈めたつもりなのかもしれないけど、
首に感じることができるその熱くて柔らかいものにわたしは敏感に反応してしまってそこからジワジワ熱を帯びてきた。
手のひらで洸の体を押すけれど、離れてくれる様子はまったくない。
そういえば、わたしは洸に勝てたことなんて一度もなかったんだった。
一応自由になっている足で王子様を蹴りあげることなんてとてもじゃないけどわたしにはできない。
そのとき、ただ当たっていたはずのその熱くて柔らかいものがあきらかに首に吸い付いたもんだから、
「ひゃ...っ」
免疫のないわたしはまた簡単に声をあげてしまう。