俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
「だから真瀬。お願いだ」
彼は泣きそうな瞳をしてまっすぐにわたしをとらえた。
「残りの補習は、アイツのこと警戒してほしい。
もし補習以外で関わろうとしてきたら、絶対に断ってほしい」
真瀬を同じ目に合わせたくないから。
最後そう付け足した...。
わたしが小さくうなづいたのを見て、彼は心底安心した表情を浮かべた。
「長々とごめんね。なにかあったらすぐに連絡して」
早川くんはわたしに背を向けて階段を下っていった。
わたしはしばらくその場から動けずに気持ちの整理をしていた。
いろいろ考えすきて、ハッとしたときには12時を回っていた。
教室に戻ると...そこに洸の姿もカバンもなかった。
どうやら帰ってしまったようだった。
まったく食欲がわかなくて、お昼ご飯は食べなかった。
わたしも帰りたかったけど、今日中にやらなければならないプリントが残っているため、それに取りかかり始めた。
ひとりきりの教室はとても静かで、
とてもむなしかった。