俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡
さっき“肌も綺麗で”といったけど、一ヶ所だけ綺麗でないところがある。
...それは昨日早川くんに殴られて赤くなっているところだ。
もう痛みはないにしても、見るからに痛そう...。
わたしは無意識のうちにソコに手を伸ばしていたーー
「...なに、してんの?」
「っ!!」
心臓が大きく跳び跳ねた。
パチリと瞳を開いた彼と...目が合ったから。
わたしは思わずそのままフリーズしてしまった。
「昨日アイツからいろいろ聞いたくせに...危機感なさすぎ」
ぱしっーーと。
ソコに触れる直前だった手首をつかんだ。
「え、えっと、ご、ごみがついてたから...っ」
必死にそう言い訳した。
「あからさまに戸惑んなよ。傷つく」
パッと手を離す。
一人言みたいにそう言った。
「あ...ご、ごめん...」
傷つけたいわけじゃない。
ただやっぱり...昨日までの態度とまったく同じには、できないよ。
だけどーー
「...俺が、怖い?」
なんだか切なそうに瞳が揺れた。
わたしはその瞳を...そらすことはできなかった。