俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡


わたしはゆっくりと首を横にふった。


そう。わたしは今まで洸のことを怖いと思ったことは一度もない。


その理由は...はじめて会話したときから、洸がわたしに向ける瞳がなんだかとても優しいからだ。雰囲気がとてもあたたかいからだ。


だから正直...早川くんが言っていたことを信じられない自分が心の片隅にいる。


“アイツからいろいろ聞いたくせに”

洸が今自分でそう言ったから、それはつまり真実ということなのかもしれないけど...。


ぼーっとしてしまっていると、洸がいきなり机を引っ付けてきた。


「な、なに...!?」


そんなことをしてきたのは初めてで、さすがに戸惑う。


「なにって、今は何の時間だよ?」


「え、ほ、補習」


「だろ?勉強すんぞ」


「ど、どうして机引っ付けるの」


「俺がお前に勉強教えてやるから」


「ええ?」


いきなりなんでそうなるの?


これまで分からない問題を何回か教えてもらったことはあるけれど。

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