俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡


「お前ちゃんと、最終テストに向けて家でも勉強してんのか?」


疑いの目を向けられる。


「う...」


正直、していない。


この補習でプリントするので精一杯...。


「毎日毎日5時ギリギリにプリントやり終えて。他のやつらだったら4時には終わってるはずだ。俺はいつも3時には終えて残りの2時間はテスト勉強してる」


え、うそ。それは知らなかった...。


「全教科60点以上とれんのか?」


その質問にわたしは一気に不安でいっぱいになった。


なぜならわたしは5月に行った実力テストで、全教科50点代だったから...。


だけど、家に帰ってからはまったくやる気が起きなくて、土日もやっても一時間程度。


すぐに燃え尽きてしまう。


「わかってんのか?1教科でも59点だったら、留年だぞ?」


留年、留年、留年...

落ちたら、留年。


ゴーンゴーンゴーンと頭に鳴り響く。


一瞬にして頭が真っ暗になった。


その暗闇に光をともすように。


「な?だから俺が教えてやる」


「...いいの?あ、でも、洸だってプリントが...!!」


ものすごく助かるけど、わたしに教えてばかりで自分のプリントが進まなかったら本末転倒だ。


心配するわたしに洸は余裕そうに笑って。


「こんな小学生みたいな問題、お前に勉強教えながらだって解ける。それに俺はすでに全教科100点取る自信があるんだよ」


「えええ!?」

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