冷たい指切り  ~窓越しの思い~
コンコン。

放送終了からわずか10分。

『和くん見っけ!』と樹がやって来た。

『ちぃちゃん、やるじゃん!どのクラスも大騒ぎだよ。
和くん、行かなくて良いの?』と痛いところをついてくる。

はぁ~。

ため息を吐く俺を、クスリと笑って。

「俺のチャラさを指摘することといい、さっきの放送といい……
ちぃちゃんって……本当に良い子だよね。
ねぇ~和くん。早く行かないと………泣いちゃうよ。」

樹の言うことは………

悪魔の囁きだ。

そう思うのに………席を立つ自分がいる。

「和く~ん、行ってらっしゃ~い。」

ニヤリと笑うくせ者をひとにらみして、ドアを閉めた。
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