冷たい指切り  ~窓越しの思い~
「せ~んせ。」

ノックしてひょっこりドアから顔を出す。

何やら機嫌の良い彼女。

…………………決定かぁ~。

多分、樹もだろうけど………アイツは好きだもんなぁ~。

お祭り騒ぎ。

今月末に迫った体育祭に、嫌気を感じる。

「どうぞ。」と入室を促して、いつもの席を勧める。

そうして出すのは………いつものカルピス。

涼しくなっても………やっぱりカルピスが良いのかな?

今から冬の心配をしていたら……

「先生、ごめんね。
体育祭の仮装………決まっちゃいました。」と。

まぁ、そうだろうなぁ。

こういう物って………若い教師がやってこそ、盛り上がるんだもんなぁ。

仕方がない。

「いいですよ。
項目を見た時から、覚悟は出来ていましたから。
せめてもの手加減をして、あまり笑われないテーマにして欲しいですね。
どうせ、樹もでしょうから……アイツをオチに使ってくれて構わないよ。」と

覚悟を話したところで

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