冷たい指切り  ~窓越しの思い~
あれから4日。

学校で会っても、様子を聞くわけにはいかないから………

もっぱら、寝る前の電話が近況報告。

ご飯が足りなかったら、弁当を届けるというと………

初日に買い込み過ぎて、食べきれないから……冷凍して

レンジでチンして食べていると言った。

遠慮しないように配慮したつもりが、美味しくないご飯にしてしまったようだ。

それでも、遠慮しながら転々と生活しなくて良いのは

かなり、快適みたいだ。

テスト勉強も集中できると言っていたから……

「それは期待しよう!」というと

「げっ!」とお嬢さんらしからぬ声がした。

今までは……常に姉ちゃんがいたから……

本当は……淋しいはずだ。

うさぎのぬいぐるみを抱いて寝てるのかと思うと………

可愛いくて笑ってしまう。

そう言えば、結構使い込んでボロボロになってたけど……

何か想いでの品なのかなぁ~??

「うさぎが涙で冷たくない??
淋しかったらいつでも電話しておいで。
俺が忙しい時は、樹が相手をしてくれるから。」

一応、伊藤さんの許可を得て………樹に話した。

伊藤さんには、家庭の話しはしないで………今の状況だけ話させてもらうと告げた。

現実は、一通り話して協力してもらってるけど……。

彼女の泊まってる部屋に、男の俺や樹が行く訳に行かず

手紙等、欲しい物を樹の女友達にお願いして取りに行ってもらってるんだ。

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