冷たい指切り  ~窓越しの思い~
「和君、プレゼント!!開けて開けて。」

樹のプレゼントは、全く嬉しくない。

去年は、真夏にセーターで………

パーティーの間中、我慢大会のようにずっと着させられていた。

一昨年は、生タコ一匹と牛肉の塊を持って来た。

慌てて料理人の友達と飲み仲間を呼んで

調理してもらってみんなで食べたが…………大変だった………。

…………今年はどんなプレゼントをくれるのやら……………。

包みを開けると………また包み。

……………………もしや??

純粋な二人は、樹のふざけたプレゼントを知らないから

興味津々で覗いてる。

もちろん、また包み。

これを繰り返すこと…………5回。

流石に二人にも分かったところで………箱が出てきた。

手のひらサイズだけど、宝石でも入っていそうなキレイな物だ。

「わぁ!!可愛い。」

「樹先生、これがメインのプレゼント??」

二人のワクワクが、手に取るようにわかる。

樹………ここで思いっきりオチをつけそうだよなぁ。

「開けるよ!」と……二人によく見えるように前にかざして…………

パカッ。

……………………………………………。


出てきたのは………………鍵。

なんの鍵だ?????

不思議そうな俺と伊藤さん。

望月さんと樹は、クスクス笑ってる。
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