先輩の彼女
あの日公園であたしは決めた

鳴り続ける携帯を見つめながら

ここを離れるって…


泣きながら従兄弟の那智兄に電話した

那智兄は隣町で1人で暮らしている母方の従兄弟

小さい時から仲が良くて、いつも甘えさせてくれたお兄ちゃん

「灯!」

電話をして30分程で那智兄は車で迎えに来てくれた

那智兄は何も聞かない

ただただ、あたしの我が儘を許し、落ち着くまで家に居て良いよと言ってくれた

親にも那智兄が連絡してくれた

だからあたしの携帯はもう鳴らない

あたしと同じ
電池ぎれで動かないんだ…
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