先輩の彼女
「それが、それ程違わないんだよな…お前知ってるだろ?親戚でも従兄弟からは結婚出来るんだよ。…って清華が言ってたんだけどな…」

「清華ちゃんが?」

清華ちゃんは那智兄の彼女さん
もう、3年くらい付き合ってる

「うん。付き合い始めた頃だったかな?俺は清華が好きだけど灯も大切で…付き合い始めたからってお前を突き放せなかった…」

そういえば…清華ちゃんと付き合い始めてもあたしとの約束は守ってくれたし、ちゃんと紹介もしてくれて、付き合う前と何も変わらなかった…

「一度さ、喧嘩したんだよ。灯のほうが大事なんだろ?って…でもさ、答えられない訳よ。」

「何で?普通彼女を取るでしょ?」

あたしは首を傾げた

「それは違うな。清華も灯も大切の意味が違うから…灯は俺にとっては何があっても守らないといけない大切な子。妹みたいなね…清華とは、お互い守り守られてる…弱いとこも全部見せあえる大切な人…」

大切の意味か…
あたしは那智兄に大切にされてて違う形で清華ちゃんも大切にされてる…

大切の形は目に見ただけじゃ分かんないのかな?

「清華、今でもたまに言うんだ。灯にはかなわない気がするってさ…」

あたしにはかなわない…?

「まぁ、そいつの気持ちが俺と一緒かは分かんないけど、泣くのはそれを確かめてからでも遅くないんじゃないか?」

いつの間にか涙は引いていた

抱き締めてくれる腕の暖かさはいつまでも変わらず

あたしを安心させてくれた…

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