先輩の彼女

その後普通に毎日が過ぎていく

変わった事は前より隆斗先輩が話し掛けてくれるようになったこと…

お休みにはどこかに誘ってくれるようになった

とは言ってもほとんどは幸乃先輩と先輩の彼氏さんも一緒だけど…

嬉しかった…先輩と居られる時間が増えた事

ただ…

どんどん欲張りになっていく自分が嫌だった

もっと

もっと…

って思ってしまう自分がホントに嫌で仕方がなかった

「ともちゃん?」

目の前に隆斗先輩が立っていた

「あ。先輩おはようございます」

慌てて先輩に挨拶をした

今日は例のごとく4人で映画に行く予定だ

待ち合わせの時間より早く着いてしまったあたしはいつの間にかボーっと考えごとをしていたようだ

「おはよ。何か考えごと?」

「いえ…何でもないですよ」

あたしは笑ってごまかした

言えるわけがない

あんな嫌な気持ちの事なんて…

言えるわけ無いよ…
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