先輩の彼女
「でしょ?本音はその先輩しか知らないけど…」
『大切には色んな形がある』
声が重なった
「那智から聞いたの?」
「うん。前一週間逃げ出した時に…」
そうだった…那智兄が教えてくれたのにね…
不安にただただ負けてた
「あたし同じ事で躓いてたのかな?怖くて先輩に気持ち伝えられなくて…」
同じ道を行ったり来たりしているだけ…
前に那智兄の所に行った時からほんの数歩しか進んでないよ…
「仕方ないよ。それが恋なんだよ…悩んで、迷って、沢山泣いて…それでも隣に居たくて…楽しいだけとか悩まないのは恋じゃないよ…一杯悩んで、転んで立ち上がれば良いの」
「清華ちゃん…ありがとう…それと…ごめんねっ」
清華ちゃんが笑った
あたしもつられて笑った…