先輩の彼女
話を全部終えた頃には辺りは真っ暗だった

「清華ちゃん、もう遅いけど泊まってく?」

「そうだね、明日日曜だし泊まって行こうかな」

でも、その前に…

そう言って携帯を差し出した

「那智に連絡してあげて。きっと死ぬほど心配してるから…」

今日も途中で追い返すのが大変だったみたい

あたしは那智兄に電話を掛けた

プルッ

『もしもし?』

ワンコールも鳴らない内に那智兄が電話に出る

「もしもし。那智兄?うん…大丈夫。ありがとう…うん。」

電話の向こうでは心配そうな那智兄が何度も大丈夫か?と繰り返す

あたしは嬉しくてただ笑ってしまった

「ねぇ、那智兄。もうちょっとだけ清華ちゃん貸してね?」

我が儘ついでにもう一つ那智兄にお願い…

『清華、泊まるって?』

「うん、明日迎えに来てね。その時色々話すから…」

なんだか那智兄はこうなることが分かっていたみたい

「うん。分かった…おやすみ…」



「那智心配してたでしょ?」

電話を切ると清華ちゃんが言う

「うん。なんかちょっとビックリした」

感情的に話す那智兄は久しぶりだった

ちょっと怒られているかのような口調にも驚いた
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