先輩の彼女
「先輩…あたしも先輩が好きです…」
言いたいことも聞きたいことも沢山あったはずなのに…
今はこれしか見つからなかった…
「先輩が大好きです…」
あたしは先輩に抱きついて泣いた
「ともちゃん…俺で良いの?だって俺…」
「先輩じゃなきゃ要らないっ」
先輩じゃなきゃ嫌
先輩だからあたしは今ここにいる
先輩だから…向き合えた…
先輩だから…
きっと好きになったの…
「ともちゃん…ありがとう…」
先輩の腕に力が入る
少し痛い位の力が何故か心地いい
あたし…
ここにいて良いんだ…
止めどなくあふれる涙は暖かくて
幸せだった…
「先輩…」
「ん?」
どれくらい時間がたっただろう?
外はもうオレンジ色で部屋の中も優しく包む
「あたし…先輩の彼女になりたいっ」
今なら叶えてくれますか?
「俺も…灯の彼氏になりたい」
どちらとなく唇を重ねた
多分これが初めてのキス
そして始まりのキス…