先輩の彼女

「はぁ…」

学校の近くのカフェお昼過ぎともあって店内はガラっとしている

アイスティーにミルクを零しながら大きくため息をついた

「こらっ!幸せが逃げるぞ」

聞き慣れた声が上から降る

「あ。幸乃先輩。」

今日は幸乃先輩と待ち合わせ

久しぶりに会おうと昨日メールが来たのだ

「どうしたの?浮かない顔して…隆斗と喧嘩でもした?」

「いえ。そう言う訳じゃ無いんですけど…」

喧嘩なんてしていない

ゆっくり会うことさえままならないから…

「ちょっと…寂しい…かな…」

本音を言うなら凄く寂しい

許されるなら泣いてでも側に居たいよ

「隆斗、最近忙しそうだもんね」

「はい…」

『おはよう』と『おやすみ』のメールは忙しくても送ってくれた…

でも…最近は…

「そう言えば、隆斗地方勤務になるかも…ってホント?」

「えっ…?」

地方…?

なに?
< 63 / 99 >

この作品をシェア

pagetop