先輩の彼女
「今のは…」
ちょっと不機嫌そうな先輩の顔
ちょっぴり嬉しい瞬間…
「買い物に来てたみたいですよ。たまたま会っただけですよ」
そう言うとほっとしたように先輩は微笑む
「行こうか」
「はい」
手をつないで街を歩く…
そんな何でも無いことが嬉しかった
食事を終えてまた街を歩いた
最近デートしてなかったよね…って笑いあいながら
「あ。先輩!」
ちょっと待ってと足を止めた
小さな路面店
ずらりと並んだシルバーアクセの数々
「ともちゃん、こういうの好きなの?」
見入ってしまっているあたしの横で先輩が呟いた
「はい。だって…世界でたった1つだけって感じじゃないですかっ。変わる物が無いから好きです」
同じものが2つとして無い手作りのシルバーアクセがあたしは好きだった…
「何か気に入ったのあった?」
先輩の言葉に小さく首を振った
「ううん。いきましょ」
あたしは先輩の腕を引きまた歩き出した
…ホントは…
凄く気になっていたの…
お揃いのシンプルな太めのリング
繋がりが欲しかったのかな?
不安な気持ちを押し込められるような…
大丈夫って思えるような…