先輩の彼女
バンッ
「どういう事?」
部屋に着くなり、手紙と携帯を机に叩きつけた
「何これ?何で携帯にも出ないの?別れるって何?」
息を飲んだ
唇をぎゅっと噛み締め口を開いた
「ごめんなさい…でも…その手紙の通りです…」
消えそうな位の声しか出ない
だけどもう逃げるわけには行かないんだ…
「何で?俺、別れないよ。何がダメなの?全部言ってよ…」
怖い…
「言って欲しかったよ…待ってて…追いかけて来てって…」
涙が溢れてくる
「当たり前かもしれないでも言葉が欲しかったよ…」
一度込み上げてくると止まらないのは言葉も涙も一緒
ネジか外れたかのように溢れてくる
「寂しかった…一緒に居る時間も寂しかった…行かないで…連れてってって無理なことばかり考えてた…」
今度は先輩が固まっている
「先輩…あたしは彼女でしたか?」
「当たり前だよ。大切な俺の彼女だよ」
嬉しかった
嬉しかったよ…
でも…
「でも…言ってくれなかったよね…会社の人の前で…切なかったよ。あたしじゃ彼女として紹介できないんだって…外見も中身も子供だもんね…しょうがないよね…」
「違う!違う!」
あたしの言葉を塞き止めるかのように先輩はあたしを強く抱き締めた