先輩の彼女

「先輩には迷惑掛けたくないんです。こんなに早く…これから色々大変なのに…親になることなんてないです。それに先輩のご両親にだってご迷惑が…」

皆がうちの親みたいじゃない

やっと就職したばかりの子供に子供が出来たなんて知ったら嫌な顔をする親が多いだろう

そんな苦労すること無いよ…

「そんなのともちゃんだって一緒でしょ?」

先輩はけして目を反らさなかった

「あたしは良いんです。母も知ってますし、あたしのこれからはこの子と歩いて行きたいんです」

ママがあたしを愛してくれたように

あたしも大好きな先輩の子供を愛していきたい

あたしが先輩を好きだった証だから…

「俺だって…俺だってともちゃんとこの子と歩いて行きたいよ…親が何?話して分からない親じゃないよ。…ともちゃんとこの子の未来に俺は要らないの?」

そんなことは無い

ある訳が無い

叶うのなら一緒に居たいよ

この子の為にも…

あたし自身の為にも…

あたしは必死に首を振った

「そんなこと無い…そんなこと無いけど…」

不安になる…

「けど?」

そんなあたしに先輩は優しく微笑んでくれた
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