先輩の彼女
世間は夏休み真っ盛り

大学を辞め、ママの所に来て早1ヶ月が経った

家の事をやりながらゆっくりとした時間が流れる

寂しい毎日かと思えば、近くに那智兄や清華ちゃんが居るし、幸乃先輩もちょくちょく遊びに来てくれる

それにここは地元…

昔の友達も沢山居た

でも…

夏休み…一番嬉しいのは明日、隆斗先輩が帰ってくる事

隆斗先輩も、頻繁に帰って来てくれるけどやっぱり長く居られると思うと自然に頬が緩んでしまう

早く会いたいなぁ

昨日電話で今回はプレゼントがあるんだ

…って…

先輩にどんなに聞いても教えてくれなかった

次の日

あたしは先輩を駅まで迎えに行った

先輩は心配だから来るなって言ったけどそんなのは無理

一秒でも早く会いたいよ

先輩を待つ時間はとっても長くてドキドキした

まるで初めてのデートのように…

「ともちゃん」

改札の向こうから声が聞こえた

「先輩!」

小走りに走ってくる先輩に近づいた

「おかえりなさい」

「ただいま」

嬉しくて軽く抱き合った

「また少し大きくなった?」

膨らんだお腹に手を当てた

最近はどんどん大きくなってきてる気がする

「かな?日々成長してますからねっ」

暖かい手の上に自分の手を重ねた

幸せだね

きっと何でもない事なのに…

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