先輩の彼女
一度荷物を置いて連れていかれた所は貸し衣装店だった

何も聞かされず手を引かれて中に入るとキラキラした沢山のドレスが目に入った

「先輩?」

訳が分からず隣に居た腕を引っ張った

「写真撮ろうよ」

先輩はニコっと微笑んで言った

沢山のドレスの中で迷いながらも、店員さんに手伝ってもらい一着を選んだ

一見真っ白でシンプルなドレス

だけど胸と裾の部分には可愛いレースが付いていて、あちこちに小さくビーズの刺繍が施されている

お腹の事もあるのでシルエットの綺麗な細身の物ではなくお腹回りがゆったりしたフワっとしたドレス…

「ともちゃん可愛い…」

着替えとメイクをしてもらい、先輩とご対面

「ありがとうございます。先輩も素敵ですよ」

白のタキシードを着た先輩は、いつもより大人っぽくて素敵だった

「ともちゃん、まだまだお互い未熟だけど、暖かい家族になろうね」

微笑む顔が好き…

「はい」

抱き締めてくれる腕が好き…

「結婚してください」

何よりも一緒に居る時間が好き…

「はいっ」

2回目のプロポーズはとても暖かくて幸せだった

薬指に光る指輪に永遠を誓って…
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