先輩の彼女

空が恥ずかしそうに真っ赤に染まった頃あたしと先輩は小さな可愛らしいオープンカフェのようなレストランに来た

中は薄いカーテンが引かれている

光は漏れているから人は居るんだろうけど、お店が開いているとは思えない

「先輩、ここ今日お休みじゃないんですか？」

心配になり問い掛けると、大丈夫っと一言言って今度は裏口に回った

ガチャッ

こんなとこから入って良いの？

あたしはドキドキしながら先輩の後を追った

「あ。灯、来たね～」

中に入ると幸乃先輩が出迎えてくれた

「幸乃先輩？どうして？」

あたしはますます訳が分からなくなった

「良いから。さぁ、こっち」

幸乃先輩に手を引かれお店の休憩室のような部屋に連れていかれた

「じゃあ、幸、後頼んだ」

「了解！」

そう言うと隆斗先輩はそそくさとどこかへ出て行ってしまった

「さぁ、灯これに着替えて」

先輩に手渡された淡いオレンジ色の綺麗なパーティードレス

「えっ？」

「多分サイズは大丈夫だと思うから」

あたしには有無を言わさず先輩はカーテンレールにあたしを押し込んだ

ハァ…

何が何だか分かんないよ…

１つため息を付いて渡されたドレスに袖を通した