先輩の彼女
コンコン

「準備出来たよ~」

そう言って幸乃先輩が顔を覗かせた

「行こうか…」

そっと目の前に手が差し出された

あたしは何も言わずその手につかまった

「ともちゃん、今日は沢山隠してごめん」

短い通路を歩き、扉の前で立ち止まった

「ホントですよ…」

あたしは不機嫌そうに下を向いて見せた

「だけど…すっごく素敵な事がこの扉の向こうで待ってるんでしょ?」

あたしは笑って先輩の顔を見た

先輩もそんなあたしに微笑み返してくれた

そして2人で扉を開けた

パンッ

パンッ

クラッカーの弾ける音にビックリして目を閉じた

そしてゆっくり目を開けると

あたしの目には沢山の友達や親戚の顔が飛び込んできた

そして…

“HAPPY WEDDING”

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