先輩の彼女
「灯、隆斗おめでとう」
涙が溢れた…
どうしようもないくらい嬉しかった
拍手の中あたしは先輩の胸の中で泣き続けた…
綺麗にしてもらったメイクもきっとボロボロになっちゃったよね
「ともちゃん、気に入ってくれた?俺たちからのプレゼント…ちゃんとした式はまだ出来ないけど…」
あたしはしがみついたまま首を振った
もう十分だよ…
十分過ぎるくらいあたし幸せだよ…
「さぁ、もう泣かないで…」
あたしの顔を上げ涙を拭った
あたしたちの結婚パーティーは、沢山の人によって作られたとても暖かいものだった
どこから持ってきたのか、小さい頃からのスチル映像や、飲み会のような一発芸、そして…沢山のおめでとう
あたしは終始泣きっぱなしだった
「じゃあ、ここで新婦の灯ちゃんから一言頂きましょう」
えっ?
「はい、灯」
今日の司会らしき優斗さんがあたしにマイクを手渡した
いきなりの事であたしは少し固まってしまった
だけど…
今、言いたいこと…
今しか言えないこと…
沢山あるはず
あたしはマイクを持つ手に力を込めた