先輩の彼女

「今日はあたし達の為にお集まり頂きありがとうございました。あたし自身ここに来るまで知らされていなかったので本当にビックリしています。でも、ここにいる、隆斗先輩、幸乃先輩、優斗さんを始め沢山の方の力でこのパーティーが作られたのだと感じています。正直まだ不安な事は沢山あります。一年前のあたしは結婚なんて全く考えていないただの学生でしたし、隆斗先輩とも何度も喧嘩して…一人でやっていけるのかな?なんて思ったりもしました。でもその度、幸乃先輩や優斗さん、那智兄や清華ちゃん…その他にも沢山の人に支えられてきました。信じること伝えることを色んな人に教えて貰いました。結婚を決めたのは赤ちゃんが出来たから…?ううん。それを理由にはしたくないんです。決めたのはあたしであり、隆斗先輩であって欲しい。赤ちゃんはきっかけです。…っとどんなに偉そうな事を言ってもあたしはまだ半人前なのでこれからも皆さんにご迷惑をかけることがあると思いますがよろしくお願いします。最後に、こういう場でしか言えないと思うので言わせてください。ママ…あたしを産んでくれて…育ててくれてありがとう…お義父さん、お義母さん、不束ものですがよろしくお願いします。そして、ここに居る全ての皆さんに心から感謝致します。ありがとうございました。」

あたしは深々と頭を下げてマイクを置いた

どこからともなく聞こえてきた拍手の音はどんどん大きくなりあたしはまた涙が溢れそうになった…
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