夢の世界で会いましょう
2ご協力よろしくお願いします
「いきなり連れてこられて混乱しているだろう。
この町の名物、野いちごのタルトでも食べながら話をしようか」
上品な食器に盛り付けられたタルト、そして温かなミルクティーは格段に美味に見える。
甘い物が大好きな優奈は目を輝かせながら、タルトを眺めていた。
「ふふっ…どうぞ」
優奈の幼いその反応に微笑を浮かべながら、ルーシーは優奈に声をかけた。
「じゃあ…遠慮なく…」
優奈は1口分をフォークスプーンで取り、ぱくりと食べる。
酸味のある甘酸っぱさ、プチプチした食感が口の中に広がっていく。
優奈は堪らず頬を緩ませた。
「はぁう…なんて美味しいの…これは大当たりのタルトだよ!」
「まだまだあるから遠慮なく食べてね。俺ら2人だけじゃ、食べきれないからさ」
美味しそうに食べる優奈の食いっぷりにライナも堪らず、頬を緩ませた。
「異世界の子供が優奈みたいにいい人で良かったよ」
「その異世界の子供って何?」
「おやおや、ライナはまだ何も話していないのかい?」
ルーシーはこの世界の言葉を丁寧に説明しながら優奈に、何故この世界に訪れたのかを話した。
時の魔王を倒した時、発動したとある魔法。
魔界へと繋がる扉を出現させる、特殊な魔法だった。
50年から100年に1度開いてしまうその扉を封じるには、異世界の子供の力を借りるしか無いという。
「長い年月をかけてその扉は少しずつ開いているが、ココ最近は扉の開く速度が早まっている。
恐らく扉が開こうとしている」
「ルーシーは占い師の能力も持っているから、次の異世界の子供がどの辺りに来るか大体予想できる。だから今回、優奈を見つける事に成功した」
「えと…ちょっと待って。展開は理解出来たけど…何で異世界の子供なの?てか、何で私なの?私は運動も出来ないし、特別な力を持っている訳でもないのに…」
夢の世界に来て自分も魔法が使える、という話であれば、意気揚々と出来る。
しかし、この世界の優奈は現実世界と同じスペックであるため、魔法が使えたり、運動能力が優れたりなどはしていない。
「どうして貴方なのか…それは我々も正確にはわからない。神の導き、としか言えない…」
ルーシーは不安がる優奈の左手をそっと手に取り、そのまま己の両手で優しく包みこんだ。
「少し怖いかもしれないが…鍵は生きた異世界の子供の新鮮な血だ。
扉の前に魔法陣を描き、そこに対価として、少量の血を捧げるだけでいい」
「俺からも頼む…優奈。必ず君を守るから、俺達の世界を守って欲しい。扉が開いてしまえば、今まで戦ってきた多くの冒険者らの努力が一瞬で無に帰る」
真剣な眼差しで見つめる2人の視線に、優奈は断る事が出来なかった。
「私…本当にただの一般人なんだよ?戦えないし、弱いし…。だから絶対絶対守ってよね…」
「勿論だ。この勇者ライナ、必ず君を守り通す」
ライナは優奈の前に膝をつき、空いている優奈の右手を手に取った。
そして、優奈の手の甲に唇を落とす。
それは勇者というよりも、1人の騎士が主の為に忠誠を誓う仕草に似ていた。
「君は必ず俺が守るから」
この町の名物、野いちごのタルトでも食べながら話をしようか」
上品な食器に盛り付けられたタルト、そして温かなミルクティーは格段に美味に見える。
甘い物が大好きな優奈は目を輝かせながら、タルトを眺めていた。
「ふふっ…どうぞ」
優奈の幼いその反応に微笑を浮かべながら、ルーシーは優奈に声をかけた。
「じゃあ…遠慮なく…」
優奈は1口分をフォークスプーンで取り、ぱくりと食べる。
酸味のある甘酸っぱさ、プチプチした食感が口の中に広がっていく。
優奈は堪らず頬を緩ませた。
「はぁう…なんて美味しいの…これは大当たりのタルトだよ!」
「まだまだあるから遠慮なく食べてね。俺ら2人だけじゃ、食べきれないからさ」
美味しそうに食べる優奈の食いっぷりにライナも堪らず、頬を緩ませた。
「異世界の子供が優奈みたいにいい人で良かったよ」
「その異世界の子供って何?」
「おやおや、ライナはまだ何も話していないのかい?」
ルーシーはこの世界の言葉を丁寧に説明しながら優奈に、何故この世界に訪れたのかを話した。
時の魔王を倒した時、発動したとある魔法。
魔界へと繋がる扉を出現させる、特殊な魔法だった。
50年から100年に1度開いてしまうその扉を封じるには、異世界の子供の力を借りるしか無いという。
「長い年月をかけてその扉は少しずつ開いているが、ココ最近は扉の開く速度が早まっている。
恐らく扉が開こうとしている」
「ルーシーは占い師の能力も持っているから、次の異世界の子供がどの辺りに来るか大体予想できる。だから今回、優奈を見つける事に成功した」
「えと…ちょっと待って。展開は理解出来たけど…何で異世界の子供なの?てか、何で私なの?私は運動も出来ないし、特別な力を持っている訳でもないのに…」
夢の世界に来て自分も魔法が使える、という話であれば、意気揚々と出来る。
しかし、この世界の優奈は現実世界と同じスペックであるため、魔法が使えたり、運動能力が優れたりなどはしていない。
「どうして貴方なのか…それは我々も正確にはわからない。神の導き、としか言えない…」
ルーシーは不安がる優奈の左手をそっと手に取り、そのまま己の両手で優しく包みこんだ。
「少し怖いかもしれないが…鍵は生きた異世界の子供の新鮮な血だ。
扉の前に魔法陣を描き、そこに対価として、少量の血を捧げるだけでいい」
「俺からも頼む…優奈。必ず君を守るから、俺達の世界を守って欲しい。扉が開いてしまえば、今まで戦ってきた多くの冒険者らの努力が一瞬で無に帰る」
真剣な眼差しで見つめる2人の視線に、優奈は断る事が出来なかった。
「私…本当にただの一般人なんだよ?戦えないし、弱いし…。だから絶対絶対守ってよね…」
「勿論だ。この勇者ライナ、必ず君を守り通す」
ライナは優奈の前に膝をつき、空いている優奈の右手を手に取った。
そして、優奈の手の甲に唇を落とす。
それは勇者というよりも、1人の騎士が主の為に忠誠を誓う仕草に似ていた。
「君は必ず俺が守るから」