夢の世界で会いましょう
それでは、参りましょう
1準備期間
「ここからその扉までどれくらいかかるの?」
「近くの村まで移動魔法でまずは移動し、その後歩いていくから…1週間位かな?」
「結構時間かかるんだね…。魔法でちゃちゃって出来ないの?」
1週間
その期間は優奈にとっては長かった。
この世界では1週間だとしても、夢を見ている時しか進まない時間軸の為、現実世界で置き換えると1ヶ月以上はかかるだろう。
その間ずっとこの夢を見続ける事に対して、多少の抵抗もある。
ただの夢ならそこまで優奈も気にはならない。
しかし何度も言うが、この夢はただの夢では無い。
ライナやルーシーの会話より、夢よりも現実味のある世界で、恐らくこの世界で受けた傷は現実世界に影響するだろう。
「あのさ…私の前に来た人も居たって事だよね?」
「うん、居たよ」
「その人らって…皆家に帰れたの?」
ライナは不安がる優奈の頭に優しく手を添えた。
ポンポンと軽く手を動かした後、優しく滑らせ、頭を撫でる。
「大丈夫、皆無事に帰れてるから。それに言ったろ?俺が必ず君を守るって」
にこっと満面の笑みを浮かべるライナに、優奈は一瞬目を奪われた。
爽やかで、安心出来て、優しい笑み
(……この前悟に会ったからかな?何か…悟に似てる気がする…笑い方が)
悟と似ている
そう思えた瞬間、優奈は急に羞恥心が沸き上がった。
(もう…この前頭撫でてくれた事…思い出しちゃったよ)
「ん?どうした、優奈…?何か顔赤いけど」
不思議そうに顔を覗き込んで来るライナに、優奈は思い出から一気に現実へと引き戻される。
「な!何でもない!ちょっと…友達の事…思い出してたの…」
「友達?それは優奈の世界の友達かい?」
「そう…幼馴染っていうか…腐れ縁って言うか…」
悪態をつきながら、恥ずかしそうに濁して話す優奈を見ていたルーシーは、意地悪な笑みを1人浮かべていた。
「おーい、ライナ。この子に手を出すなよ、向こうの世界の彼氏さんに怒られるよ」
「ふぉ?!」
「あ、ルーシーもそう思う?だよな、絶対あれだよね。これは責任持って帰さないとやばいやつだな」
「ふぉわ?!!」
にやにやと笑う2人のに対し、優奈は悲鳴に近い声をあげてしまった。
2人から離れるように後ずさりをする優奈は、顔を朱に染めながら、大声で否定する。
「ば、馬鹿言わないでよ!な、何で私が悟の事を!」
「「顔に書いてるから」」
「声揃えて言うな!!」
恥ずかしさに堪えられず、優奈は2人に背を向けた。
「っ……早く、用事済ませてさっさと帰るよ!」
「そうだな…こんなに面白いおもちゃ…いや、素敵な恋愛の話を聞きたいが、我々にはやる事がある。続きはまた今度だな」
「………」
さり気なく毒を漏らしたルーシーに、優奈は耳を疑い、ルーシーの方を振り向いた。
そして優奈は後悔した。
そこには黒い笑みで満面に微笑む、ドSの悪魔にしか見えない、不釣り合いな賢者が居た。
「近くの村まで移動魔法でまずは移動し、その後歩いていくから…1週間位かな?」
「結構時間かかるんだね…。魔法でちゃちゃって出来ないの?」
1週間
その期間は優奈にとっては長かった。
この世界では1週間だとしても、夢を見ている時しか進まない時間軸の為、現実世界で置き換えると1ヶ月以上はかかるだろう。
その間ずっとこの夢を見続ける事に対して、多少の抵抗もある。
ただの夢ならそこまで優奈も気にはならない。
しかし何度も言うが、この夢はただの夢では無い。
ライナやルーシーの会話より、夢よりも現実味のある世界で、恐らくこの世界で受けた傷は現実世界に影響するだろう。
「あのさ…私の前に来た人も居たって事だよね?」
「うん、居たよ」
「その人らって…皆家に帰れたの?」
ライナは不安がる優奈の頭に優しく手を添えた。
ポンポンと軽く手を動かした後、優しく滑らせ、頭を撫でる。
「大丈夫、皆無事に帰れてるから。それに言ったろ?俺が必ず君を守るって」
にこっと満面の笑みを浮かべるライナに、優奈は一瞬目を奪われた。
爽やかで、安心出来て、優しい笑み
(……この前悟に会ったからかな?何か…悟に似てる気がする…笑い方が)
悟と似ている
そう思えた瞬間、優奈は急に羞恥心が沸き上がった。
(もう…この前頭撫でてくれた事…思い出しちゃったよ)
「ん?どうした、優奈…?何か顔赤いけど」
不思議そうに顔を覗き込んで来るライナに、優奈は思い出から一気に現実へと引き戻される。
「な!何でもない!ちょっと…友達の事…思い出してたの…」
「友達?それは優奈の世界の友達かい?」
「そう…幼馴染っていうか…腐れ縁って言うか…」
悪態をつきながら、恥ずかしそうに濁して話す優奈を見ていたルーシーは、意地悪な笑みを1人浮かべていた。
「おーい、ライナ。この子に手を出すなよ、向こうの世界の彼氏さんに怒られるよ」
「ふぉ?!」
「あ、ルーシーもそう思う?だよな、絶対あれだよね。これは責任持って帰さないとやばいやつだな」
「ふぉわ?!!」
にやにやと笑う2人のに対し、優奈は悲鳴に近い声をあげてしまった。
2人から離れるように後ずさりをする優奈は、顔を朱に染めながら、大声で否定する。
「ば、馬鹿言わないでよ!な、何で私が悟の事を!」
「「顔に書いてるから」」
「声揃えて言うな!!」
恥ずかしさに堪えられず、優奈は2人に背を向けた。
「っ……早く、用事済ませてさっさと帰るよ!」
「そうだな…こんなに面白いおもちゃ…いや、素敵な恋愛の話を聞きたいが、我々にはやる事がある。続きはまた今度だな」
「………」
さり気なく毒を漏らしたルーシーに、優奈は耳を疑い、ルーシーの方を振り向いた。
そして優奈は後悔した。
そこには黒い笑みで満面に微笑む、ドSの悪魔にしか見えない、不釣り合いな賢者が居た。