追放の堕天使
「っ、れ、レイさんっ」

「……どうやら神々は、僕らを消し去るつもりらしい」

「どうするっスか……」

ライとレイは見つめあい、どちらからともなく言った。

「もしこのまま消え去ったら、どうなるのか」

その答えは分からない。きっと、神々にすら分からないだろう。

神々の怒りをここまで買った天使は、後にも先にも、きっと自分たちだけだからだ。

「契約、してるから、離れないっスよね?」

「そうだね。……ミツは、もうやられてしまったのか……つっ!」

天使が大勢で詰め寄ってきて、そのうちの数人が、レイの身体に剣を突き立てた。

「レイさん! っあ!」

慌てて駆け寄ろうとしたライの背中に、大剣が突き立てられた。

ドロドロと血が流れ出していって、二人の意識は、不意にぷつっと切れた。
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