愛育同居～エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい～

彼女たちを見てから、自分の服装に視線を落とし、私は恥ずかしくなる。

今日はサーモンピンクの膝丈フレアスカートに、襟元にリボンのついた半袖ブラウスを着ている。

靴はヒールが二センチほどと低く、ハーフアップにした髪には花型の髪飾り。

桐島さんに就職祝いに買ってもらった腕時計以外、全て安物でアクセサリーはなく、全体的に子供っぽい印象だ。


そうだ、服装を変えれば、私も少しは大人びて見えるかもしれない……。


そんなことを考える私に桐島さんは気づくことなく、秘書の水上さんと並んで、廊下をエレベーターホールの方へと歩き出した。

どうやら急いでいるようで、その歩調は速く、すぐに私の視界から消えてしまった。


忙しそう……。

桐島さんは家で、私の仕事の相談にはのってくれるけど、彼の仕事の話はしない。

それはもしかすると、私には理解できない難しい話になってしまうからなのかもしれない。

同じ会社に勤めていても、私と桐島さんの世界は違う。

彼が去った後の廊下に足を踏み出しながら、なぜか寂しい気持ちになっていた。