愛育同居~エリート社長は年下妻を独占欲で染め上げたい~
彼の指先が、昨夜と同じように私に快感を教えようと動き始めるから、慌てた私は顔を横に向けてキスから逃れた。

「桐島さん、遅刻しちゃいます!」とその胸を押したが、ビクともしない。

「今日は土曜日だ」と彼は私の耳に舌を這わせ、胸に触れる。


「今日からベルギー社に出張だと言ってたじゃないですか!飛行機の時間が……ああっ」

「今は六時過ぎたばかり。空港に十時に着けばいいから問題ない。四日間会えない分、有紀子を抱いておかないと」


出張前に疲れてしまうのでは……と心配したが、胸の頂を吸い上げられたらもう、私の口からは甘い呻き声しか出てこない。

カーテンの隙間から差し込む朝日が畳の上に斜めに線を引き、小鳥のさえずりが聞こえる中で、私は夢の続きを味わっていた。



それから四日が経ち、桐島さんが出張から帰ってきた。

時刻は二十一時二十分。

退社してから和食をあれこれと拵えて、座卓いっぱいに並べた私だが、桐島さんは少しずつ箸をつけただけで、「すまない。後は明日食べるよ」と大幅に残してしまった。

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