独占欲高めな社長に捕獲されました
とにかく、私は表に出ている小さな立て看板をしまい、シャッターを閉めて中からカギをかけた。
「おばあちゃん、二階? 入口まだ空いてたよ」
店じまいして、上の居住スペースで休んでいるのかな。それにしても入口を閉め忘れるなんておかしい。
階段を上がり、おばあちゃんの部屋に向かう。ドアをノックして開けたけど、そこに彼女はいなかった。真っ暗な部屋から廊下の先に視線を移すと、二階の小さなキッチンの灯りが点いているのが見えた。
「なんだ、そこかあ」
きっと今、夕食を用意してくれているはずだ。そう思おうとするのに、包丁の音も、いつもの美味しそうな匂いもしないことが妙に私を不安にさせる。
不吉に高鳴る胸を押さえつつ、扉を開けた。
「おばあちゃん?」
「……はあ~い」
キッチンカウンターの向こうからか細い声がして、慌てて回り込む。すると、おばあちゃんはコンロの前で小さな椅子に座っていた。背を屈めていたから、すぐに見えなかったらしい。