独占欲高めな社長に捕獲されました

「好きだよ、美羽。強がりな性格も、生意気な目も」

 優しく囁かれて髪を撫でられたら、体から力が抜けていった。ぽろぽろと涙が零れた。

「俺のことを想って泣く美羽も魅力的だけど、今はそんな場合じゃない」

 指で涙を拭われ、こくりと頷く。

「お父さんを日本に連れ戻さなきゃ」

「そうだ。すべて俺に任せておけ。お前はついてくるだけでいい」

 破壊力抜群の笑顔を向けると、彼はもう一度、私をぎゅっと抱きしめた。

 ああ、なんて……なんて心強い。

 昴さんが私を想ってくれている。それだけで、なんだって乗り越えられそうな気がした。


< 182 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop