独占欲高めな社長に捕獲されました
ちょ、待てよ。私が誘ったみたいな言い方しないでよ。
キッと先輩をにらむと、社長は興味なさそうにふんと鼻を鳴らした。
「まあいい。それはしまっておけ。横川美羽は俺がもらっていく」
「へ?」
「ついてこい」
ぽかんとする私を置き去りに、社長は踵を返してズンズン歩いていく。五歩ほど行ったところで急に振り返った。
「何をしている。早く来い」
弱みを握っているからか、これ以上ない横柄な態度で私を呼びつける西明寺社長。
何が目的かわからないけど、ついていくしかなさそう。
先輩に会釈し、社長に駆け寄った。しかし彼は前方を向きなおすと、こちらの歩調に合わせることなく、どんどん先に行ってしまう。
彼の早足についていくには、小走りしなければならなかった。