残念系お嬢様の日常
第二茶道室に入ってきた顔ぶれに心臓が止まるかと思った。
この人たちがここにいることが不思議で仕方ない。一体何をしに来たのだろう。
「あ、やっぱりここだった〜」
甘ったるい笑顔を浮かべながら手をひらひらと振る雨宮に、仏頂面の桐生。
その後ろには呑気に「雲類鷲さーん!」と声をかけてくる天花寺と、和室に並べられているケーキに驚いている様子の浅海さんがいた。
私の知らないところで一緒に行動するようになったのだろうか。原作ではこの四人がよく一緒にいたから、私としては違和感はないけど。
スミレに視線を向けると、眉根を寄せて嫌悪感を丸出しにしている。
スミレはあまり男の人が好きではないから、彼らに一刻も早く立ち去ってほしいに違いない。
「今日の星座占いは一位だったのに嘘つきコンチキショー」とぼそりと呟いたのが隣の私には聞こえてしまった。どこで覚えたのそんな言葉。
「俺らも混ざっていい?」
眩しいくらいの笑顔で聞いてくる天花寺に対して、スミレは頭を左右に大きく振って拒否した。
「ここは私達の部活の場所ですの! 男性は立ち入り禁止ですっ!」
「え、部活?」