残念系お嬢様の日常


「残念だな。タロットカードで占ってほしければ、いつでも言うんだぞ。くふふふ」

タロットカードかぁ。それはちょっとだけ興味あるかも。

星占いとか血液型占いは信じてないけど、タロットとか手相は少し興味があるんだよね。今度やってもらおうかな。

にやりと片方の口角を上げていたパペットちゃんが私の背後を見て、何故か表情を強張らせた。


「東雲さん、久しぶりだね」

振り返れば能天気に微笑んでいる天花寺の姿があり、パペットちゃんに親しげに話しかけていた。

一方、パペットちゃんは鼻に皺を寄せ、口を半開きにしている。


「そういえば同じクラスなのに話してなかったよね」

「貴様……っ! 私に話しかけるな! 呪うぞ!!」

仲が良いわけではなく天花寺の一方通行だったようだ。パペットちゃんは眉根を寄せて小走りで逃げるように去って行った。


ものすごく嫌そう表情をしていたけど、あんなパペットちゃん見たことない。

普段は怪しげに笑っていたり、花ノ姫同士が火花散らしていてもあまり興味がなさそうで感情を剥き出しにしていることなんてなかった。




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