残念系お嬢様の日常


「あー……また逃げられちゃった」

「またって、よくあるんですか?」

「うん、話しかけるたびにあんな感じだよ」

……天花寺、どんだけ嫌われるようなことをしたんだ。

原作ではあまりパペットちゃんに関して触れられてなかったから、二人の間に何があったのかわからないなぁ。


「それなのによく懲りもせずに悠は彼女に話しかけるよねぇ」

後方から聞こえてきた声にどきりと心臓が跳ね上がる。本当神出鬼没で心臓に悪い。


「……雨宮様」

どうやらパペットちゃんとのやりとりを通りかかって見ていたらしく、彼女が去って行った方向を眺めながら呆れたように苦笑した。


「まあ、とられたくなかったんだろうね〜」

「へ? なにを?」

「鈍いなぁ、悠は」

きょとんとしている天花寺と同じく、私にも全く意味がわからない。

何故か雨宮はパペットちゃんが天花寺を嫌う理由を知っているんだ。




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