残念系お嬢様の日常


「お前、なにと関わってんだ」

威圧的な眼差しは私を苛つかせる。

どうしてもっと柔らかい言い方ができないのかな。

ダメだ、私絶対この男とは結婚したくない。血みどろサスペンスになりそう。


「落ちたのは私の不注意です」

「浅海奏を構うのは天花寺たちと親しいからか?」

「どういう意味です?」

聞いてみるものの、彼がなにを言いたいのかわかってきた。

彼には私が人を純粋に助けるような人間には見えないということだろう。私の言動にはなにか裏があると思っているのね。


それをわざわざ家に来て言うなんて暇なんだろうか。というか、久世って親しい友人とかいるのかな。

一人か希乃愛といるところしか見たことないけど。


「お前の目的はなんだよ」

疑わしいものでも見るように目を細めている久世に、わざとらしく作り笑いを浮かべてみせる。



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