残念系お嬢様の日常
中等部では男女はクラスが違い、校舎も分かれているのだ。女子校舎に足を踏み入れる。
何故初等部と中等部が男女分かれているのかというと先代が紳士淑女としての振る舞いを覚えるまでは、男女は触れあるべきでないと拘っていたんだとか。
高校生くらいになるとパーティーに参加することも増えてくるし、それまでに紳士淑女としてのマナーを学ばせるために男女分ける授業カリキュラムにしているらしい。果たしてそれが正解なのかは微妙なところだけど。
記憶通りの自分のロッカーまで行くと同じクラスの子に「ごきげんよう、真莉亜様」と挨拶をされたので同じようにごきげんようと返す。記憶を取り戻してからは、この挨拶が少しくすぐったかったりする。
「瞳様、ごきげんよう」
「ごきげんよう」
顔を真っ赤に染め上げた女の子たちが挨拶をすると、黒色のショートカットで長身の女の子が微笑んで挨拶を返した。すると黄色い歓声が聞こえてきた。
挨拶を返した彼女は女の子の憧れの存在である真栄城瞳(まえしろひとみ)。
見た目からしてかっこいい女の子で彼女に本気で恋をしてしまっている女の子も多数いて、男女分けたことによって別の道に進んでしまう女の子もいるのである。