残念系お嬢様の日常


「真莉亜! そいつが幽霊よ! 捕まえて! それか反復横飛びとかして絶対に逃さないようにして!」


私に気づいたスミレが勝利を確信したような表情で目の前を走っている幽霊を指差した。


何言ってんのあの子。反復横飛びは得意だけど!

でも、ドン引きされるわ。いや、そうじゃなくて!



「おい、アンタの名前呼んだみたいだけど。やっぱり知り合いじゃん」

壁に隠れていた景人が厄介ごとには関わるまいとカウンセリングルームに逃げ込もうとしている首根っこを掴み、阻止する。

こうなった以上はもう仕方ない。スミレたちにも協力してもらおう。




「っおい!」

「逃さないわよ!」

「はあ!?」




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