残念系お嬢様の日常
でもまあ、最初目撃した時は災難だと思っていたけれど、私にとってはラッキーな状況だ。
「それはそうと、私のランチタイムを台無しにして虫取り網を頭にかぶせたスミレたちにお願いがあるの」
「お願い……?」
「ええ、〝お願い〟よ」
うふふと微笑みながら首を傾けると、何故かみんなが怯えたように息をのんだ気がした。
「あら? どうされたの?」
そこまで怖くしていないはずなのにスミレなんて瞳の袖を掴みながらプルプルしているし。
せっかくだからみんなに〝協力〟をお願いしよう。
だって私だけでどうにかできる気がしないもの。
名付けて巻き込み大作戦!
「おほほ」と綺麗に笑ってみせると、何故だかパペットちゃんがびくりと肩を震わせた。