残念系お嬢様の日常


天真爛漫で両親にも周囲の大人たちにも可愛がられてきた妹の周りにはいつも人がいて、笑顔に溢れていた。


『ねえ、お姉様。どうしてそんな話し方なの?』

『えっ……と、どう、してって』

妹の質問に私は俯いたまま上手く答えられなかった。


『ねえ、どうしてそんなに怯えているの? どうしてはっきりと話せないの? どうしていつも俯いて目を合わせないの?』


責め立てるように〝どうして〟と訊いてくる妹が怖かった。

それが更に妹を苛つかせたようで、顔を掴まれて強引に上を向かされた。



『私、妹なのが恥ずかしい』

見たくなかった。

聞きたくなかった。

血の繋がった妹からの本音と、嫌悪の表情。




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