残念系お嬢様の日常
妹は中等部から別の学校へ入った。理由なんて聞かなくてもわかる。
私と同じ学校なのが嫌だからだ。こんな姉を持ったのが恥ずかしいのだろう。
『無理しなくていいよ。ゆっくりでいい。俺は流音が話し終わるまで待つから』
まだたっくんが笑えていた頃に言ってもらえた言葉も私にとっての宝物で、たっくんなら私の話を聞いてくれるのだと思うと安心して喋れた。
そして、たっくんにもらったうさぎのパペットだけが私の心の支えだった。
うさぎのパペットが話しているようにしたら不思議と喋れてコミュニケーションが取れた。
それから不気味だと言われても私はうさぎのパペットを通して会話をするようになった。
『いつまでそんなもんに頼る気だよ』
たっくんの兄のけーくんは呆れたように言ってくるけれど、私にはこれがないと不安で仕方ないんだ。