残念系お嬢様の日常
電子音に気づき、ポケットに入れていた携帯電話を取り出すとメッセージが届いていた。
今では誰もが使用しているメッセージアプリにはグループを作って、複数で会話ができる。
けーくんとたっくん以外親しい友人がいなかった私にはほぼ無縁だったが、初めてグループに招待された。
「ふ……アホだのう。紅薔薇の君は」
グループの名称は【たっくんスマイル生産計画!】。
そんなグループ名に菫の君が「たっくんお菓子食っておかしい計画よ」なんて言い出している。
本当変な人たちだ。
人付き合いは苦手で一人の方が楽だと思っていたが、こういう日常も楽しいものなのだな。
彼女たちがこんなに愉快な人たちだとは知らなかった。
私はずっと狭い視野で過ごしてきたみたいだ。