残念系お嬢様の日常
「え!?」
驚いたのはこの部屋にいる全員だろう。まさか欠陥住宅だったとは。
崩壊したお菓子の家から現れたのは流音様がマジパンで作ったより目の桐生拓人だった。
「サ、サプラーイズ!」
これも演出ってことにならないかな。強引にしちゃおうかな。
と思って、言ってみたけれど、誰も何も言わない。
そりゃそうですよね、すみません。
そんな沈黙を破ったのは、意外な人物だった。
「……はは、あははは! なんだよこれ!」
声をあげて無邪気に笑っているのは、あの桐生拓人だった。
「わ、笑った……たっくんが笑った!」
今度は流音様が声をあげて泣き出した。
呆気にとられていると、天花寺と雨宮が「おめでとう」と桐生に告げて、再びお祝いムードへと切り替わる。
とりあえず、任務完了めでたしめでたし?なのかな。