残念系お嬢様の日常


「真莉亜! 早くしないと食べちゃうわよ!」


みんなの元へ行くと、スミレのお皿にはマジパンで作られた桐生拓人の腕が乗っていた。


……こわい。



どうやら私のお皿には屋根の部分と、これはなんだ?

おそらくは何かの……ひい!

マジパンで作られた桐生拓人の足だ!


こっわ!!



「あら? あの人は?」

「あ、うん……」

桐生に聞こえないようにこっそりとスミレと瞳に「景人様は用事あるみたいだから帰った」と告げた。

事情を知っている流音様と雨宮なら、景人がいなくてもなんとなく察するだろう。


ふと天花寺と目が合い、見透かしたように微笑まれた。

天花寺はこの件に景人が関わっていることは知らないはずだけど、流音様がいる時点で察しが付いているかもしれない。


「やっぱりすごいね」

「へ?」




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