残念系お嬢様の日常
アクマでお願い
さてと。
桐生との話も終わったところで、私も久しぶりにやるべきことをやりますか。
図書室の窓際の席に座って何かを書いている男子生徒の前の席に腰をかけて、頬杖をつく。
私の存在に気づいた男子生徒はみるみる青ざめていく。
「ごきげんよう。海老原くん」
「う、ううう雲類鷲さん。ぼ、僕はもう知っていることすべて話したよ」
蒼を文芸部に引き入れた文芸部員の海老原くんは頼りなさげに太めの眉毛を八の字にしている。
声も震えていて怯えているのが見て取れる。
いやだわ。これじゃあ、私がいじめているみたいじゃないの。
蒼に絶対に話すなって釘を刺したから大丈夫だとは思うけど、言われたら叱られそうだわ。
「ええ、そうね。貴方が全く活動していなかった文芸部に入部したら、ある日からノートが置かれていてそこには自分が部長だと綴られていたのよね?」