残念系お嬢様の日常
「母さん、確かに姉さんはとんでもないことをしたけど、今日くらいは許してあげて。勉強頑張ってたし、明日は姉さんの誕生日だから一日早いお祝いってことで」
「蒼!?」
ここにきて蒼が私の肩を持ってくれたので弾かれるように顔を上げて目を輝かせる。
「蒼……あなたは本当に真莉亜には甘いわね」
深いため息を漏らすお母様だって蒼には甘いのだ。
先ほどの厳しい口調から、少し柔らかくなっている気がした。
勝機は我にアリ! 蒼が味方になったらこっちのもんだわ!
「仕方ないわ。蒼に免じて、本日は自由を許します。夏休みももう終わりですし」
「お母様!」
ふっふっふ。やっぱり蒼は最強の味方だわ。
お母様は蒼にはどっろどろに甘いもの。蒼が可愛くて仕方ないのね。
この間だって蒼が嬉しそうにスコーンにつけて食べていた桃のコンポートを大量に購入していたの知っているんだからね!
私が美味しいって言ったら「食べ過ぎはダメよ」って言うだけだったのに! ちくしょー!