残念系お嬢様の日常
「拓人と景くんの件、裏で色々やってくれたのは雲類鷲さんだよね」
「えーっと、ちょっとはしましたけど、それはスミレ達の力も大きいので私だけの力ではないです」
「でも景くんが言ってたよ。あの人がいなかったら今頃拓人と会話をしていなかったって」
そう言ってもらえるとちょっと嬉しい。
景人なんだかんだデレるからときどき可愛いな。今度お菓子でも差し入れに行こう。
お菓子の家を景人は食べれなかったし。
「景くんってさ、東雲さん以外の女の子とは親しくしなかったから、雲類鷲さんと仲良くなっていてすごく驚いたよ」
「いやぁ、あれはその……偶然出会ってお弁当を一緒に食べて打ち解けただけなので……」
出会った経緯を詳しく話していないだろうな、あの人。
私の名誉のためにもお腹を空かせて匂いにつられてやってきて覗いていたなんて話すのは絶対にやめてほしい。