残念系お嬢様の日常


「え……」

「第一、君は原作通りになりたくないんでしょ?」

それは私が死ぬ運命を変えたいだけであって、ウハウハは令嬢生活を送りたいとかそんな邪な思いはなかった。

あ、でもハイスペックイケメンが現れて私の婚約破棄してほしいとは思ったけど、天花寺に置き換えて考えていたわけではない。



「でも、他の人の人生まで……天花寺と浅海さんのことまで変えようなんて思っていなかった。あの二人はきっと結ばれる運命なのに」

最後まで読んでいないから、結末は知らないけれどきっと浅海さんの結ばれる相手は天花寺だった。

原作終盤で浅海さんが天花寺を意識しているシーンがあって悶えたのを覚えている。




「悠に好きとでも言われた?」

問いかけにドキリと心臓が大きく跳ねて、ぎこちなく視線を床に縫い付ける。

わかりやすいくらいの反応をしてしまったから、雨宮は今ので察しただろう。






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