残念系お嬢様の日常
「真莉亜の顔立ちならドレスも似合うだろうけど、和服もすごく似合う。今度花ノ姫で着物を着て茶道するのもいいかもね」
「まあ、それもいいわね!」
優雅に庭園でティータイムばかりだから、時には和室で茶道を嗜むのも新鮮で楽しそうだ。
普段第二茶道室で集まっているけど、駄菓子とか食べてばかりで私たち完全に茶道室の使い方間違っているしね。
「ケーキとかは花火が終わったあとにしようか」
天花寺の声が聞こえたけれど、気まずくて視線を向けることができない。
あの話の後でどんな顔をしたらいいの。けれど、あんまり過剰に反応をすると周囲に気付かれてしまう。
特に蒼が勘がいいから何かあったとすぐに察してしまいそうだ。どうにか切り抜けねば。
「雲類鷲」
名前を呼ばれ顔を上げると、いつのまにか桐生が隣に立っていた。